「ビブス」という言葉を聞いたことはありますか?
「ビブス」とはシャツやアウターの上から着る袖のない衣服です。チーム分けやグループ分け、警備担当、イベント会場のスタッフなど、人を混同しがちな状況で識別をしやすくするために使われています。
学校の体育の授業で、サッカーやバスケットボールなどのスポーツを行った際に使ったことがあるかもしれませんね。
令和6年1月1日に発生した、能登半島地震に被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。
当店では、被災地の復旧・復興・救助・救援・支援・災害ボランティアなどの用途でビブス・識別用品を必要とする団体様に向けて、ビブス+プリントオーダー商品の特別割引を実施しております。
ビブスの語源
「ビブス」って不思議な語感ですが何語なんでしょうか?
答えは英語。英語でよだれ掛けを表す「bib(ビブ)」という言葉があり、それを複数形にしたものが「bibs(ビブス)」です。
主に、スポーツの練習や控えメンバーを区別する際に来ているベストが、子どものよだれ掛けに似ているため「ビブス」という通称で呼ばれるようになりました。
ビブスとゼッケンの違い
ベスト状の衣服について、「ビブス」ではなく「ゼッケン」という言葉も使うことがありますが、これはドイツ語で「覆う」ことを意味する「Decken(デッケン)」を語源とする説があり、識別番号をプリントした布から来ていると言われています。
つまり、ビブスとゼッケンの違いについて、「ビブスは英語」で「ゼッケンはドイツ語」ということもできそうです。
しかし、当店にご相談をいただくスポーツ関連のお客さまの傾向からすると、「選手を区別するための番号が入ったベスト」のことを「ゼッケン」と言っていることが多く、一方で企業や自治体の方は「団体名や役割を入れたベスト」をビブスと言っていることが多い傾向が顕著です。日本においてはうっすらと「ビブス」と「ゼッケン」で意味の棲み分けができているように感じます。
なお、「ベスト」「ビブス」「ゼッケン」など色々な呼び方がありますが、現在、国際的には「ビブス」と呼ぶのが正しいようです。
ビブスの歴史
グルーピングキットが独自に調査した、日本のビブスやゼッケンにまつわる歴史について紹介します。
- 1864年ごろ:幕府軍の軍服の一部として袖なしの衣服が使われたという記録があり、数年後には「チョッキ」という言葉が登場します。
- 1908年:日本にバスケットボールが伝わり、当時から袖なしのユニフォームが使われていました。同年、北海道大学で馬の腹帯を「ゼッケン」と呼称した記録があります。
- 1911年:陸上競技で番号付きベストが使用されていますが、当時は「番号票」という言葉で呼んでいたそうです。
- 1912年:陸軍のスキー演習で識別用の番号票を「ゼッケン」と呼んでいた記録が。だいたい20世紀初頭くらいから番号識別用の衣服を「ゼッケン」と呼ぶようになったようです。
- 1960年~70年ごろ:袖なしの衣服のことを「チョッキ」ではなく「ベスト」と呼ぶことが一般的になりました。また、主に米国から組み分けや番号識別で使うベストのことを「ビブス」という通称で呼ぶ文化が伝わってきます。
- 1980年代:組み分け用ベストがスポーツ用品として広まるとともに「ゼッケン」だけでなく「ビブス」と呼ぶことも一般的になりました。以降、日本では体育、部活動、スポーツ大会などで「ゼッケン」「ビブス」両方の言葉が使われるようになっていきます。
- 2000年代:イベント、商品PR、身分証明など、スポーツ以外の用途でもビブスが活用されるようになりました。
ビブスの用途
スポーツ
ビブスを使うことで有名なスポーツといえば、サッカーとバスケットボールです。
ほかにも、ラグビー、バレーボール、ラクロス、スキー、スノーボード、陸上、船上競技、サーフィンなどのスポーツの練習や組み分けで使われています。
今では、ビブスを使わないスポーツを探すほうが難しいかもしれませんね。
イベント
ビブスは、展示会、サービスや商品のリリース、催し物など、イベント会場で顧客対応や誘導を行うスタッフの衣服として人気です。
目立つカラーのビブスを着て、団体名、イベント名、役割名などをプリントするのが一般的です。
ファッション
おしゃれなプリントを入れたビブスや、バスケットボールなどのスポーツ用に作られたチームロゴ・番号入りのビブスをファッションに活用する場合があります。
バスケタンクトップのような見た目になるため、アメリカンなテイストになることでしょう。
報道・撮影・プレス
取材を行うスタッフが、部外者や不審者と間違われるのを防ぐためにビブスを着用することが多いです。
団体名と関係者であることを示す役割をプリントするのが一般的です。
防災訓練・避難訓練
防災訓練や避難訓練では役割を示すこと、係員が目立つことが非常に大事です。役割に応じて〇〇係とプリントをしておくのが良いでしょう。
災害・救助・医療
災害時に、救助関係者や医療関係であることを周囲に示すためにビブスが活躍しています。所属団体名と、看護や医師、支援内容などの役割をプリントするのが一般的です。
また、怪我や病気に対する処置優先度を見分けられるようにする「トリアージ」にもビブスは最適です。要救助者に色分けしたビブスを着てもらうことで、医療関係者は一目で優先度を判断することができます。
ボランティア
ボランティアスタッフが身分を証明する目的と、連帯感を高めるためにビブスが人気です。ボランティア団体名と、班名などをプリントするのが良いでしょう。
ワクチン接種
大規模ワクチン接種会場の運営を円滑にするために、ビブスが活用されています。係に応じたビブスの色分けや自治体名をプリントすることで、来場者が職員をひと目で認識することができます。
ビブスの種類とそれぞれの特徴
ベストタイプ
参考ビブス+1色プリント [glimmer グリマー ドライメッシュビブス]
本体カラー デザイン提案と見積書をもらう 商品の特徴 イベントや法人利用に適した生地質 glimmer(グリマー)のビブスに、お好きな文字やロゴなどをプリントします。 吸湿速乾性のある、ストレッチが効 …
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参考ビブス+1色プリント [TRUSS トラス ファイバードライビブス]
本体カラー デザイン提案と見積書をもらう 商品の特徴 イベントや法人利用に適した生地質 TRUSS(トラス)のビブスに、お好きな文字やロゴなどをプリントします。 吸湿速乾性のある、ストレッチが効いた非 …
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参考オリジナルビブス (昇華) フルカラープリント
商品の特徴 価格と納期 お見積もり・ご相談
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参考昇華フルカラープリントオリジナルリバーシブルビブス
商品の特徴 価格と納期 お見積もり・ご相談
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最も一般的な形状なのが、頭からかぶるタイプのベスト型ビブス。脱ぎ着の際に少し手間がかかりますが、安価なのがメリットです。
参考
総合おすすめ度:
価格:
着回しのしやすさ:
こんな方におすすめ
- リーズナブルに揃えたい方
- 利便性よりも、まず揃えることに重点を置きたい方
ゴムバンドタイプ
参考オリジナルゴムバンドビブス (昇華) フルカラープリント
商品の特徴 価格と納期 お見積もり・ご相談
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サイドが開いており、ゴムバンドで固定されているタイプのビブス。比較的脱ぎ着がしやすく、さらにゴムバンドが伸びるため幅広い体格に対応できるのが特徴です。
参考
総合おすすめ度:
価格:
着回しのしやすさ:
こんな方におすすめ
- さまざまな体型の方がいる場合
- ワンサイズでまかないたい方
ファスナー開閉タイプ
参考オリジナルファスナー付きビブス (昇華) フルカラープリント
商品の特徴 価格と納期 お見積もり・ご相談
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参考オリジナルファスナー付きビブス (昇華) フルカラープリント【反射シート付き】
商品の特徴 価格と納期 お見積もり・ご相談
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前面をファスナーで開閉できるタイプのビブス。体格に合うサイズを選ぶ必要があり、価格も高いですが、脱ぎ着が非常に楽です。
参考
総合おすすめ度:
価格:
着回しのしやすさ:
こんな方におすすめ
- 脱ぎ着を頻繁に行う場合
- 長時間の着用でストレスを軽減されたい場合
ヒモタイプ
サイドが開いており、ヒモを結ぶことで固定するタイプのビブス。ヒモを結ぶのが手間なのと、ヒモがほどける恐れがありますが、脱ぎ着がしやすく幅広い体格に対応しているのが特徴です。
参考
総合おすすめ度:
価格:
着回しのしやすさ:
バックルベルトタイプ
サイドが開いており、バックル付きのベルトで固定されているタイプのビブス。バックルを留め外しできるため脱ぎ着が楽ですが、若干の重要増と価格が高いという特徴があります。
参考
総合おすすめ度:
価格:
着回しのしやすさ:
ビブスの素材
ポリエステル・ドライメッシュ生地
スポーツユニフォームなどでよく使われている、ポリエステルのドライメッシュ生地です。湿気を吸う面と蒸発させる面がある、機能性生地です。
穴があいたメッシュ生地と比較すると耐久性が高く、プリントが鮮明に出るのが特徴です。
参考
おすすめ度:
鮮明なスポンサー表示が重要視される、世界的なスポーツ大会で使用されるビブスはこの生地を使用。もっともおすすめです。弊社製品はほぼすべて、こちらのタイプです。
ポリエステル・穴あきメッシュ
粗い網目状のポリエステル生地です。安価で軽量ですが、物に引っかかりやすい、耐久性が低い、プリントが見づらい、印刷が目詰まりしやすい、湿気を吸ったり蒸発させる機能性が無い、というデメリットもあります。
参考
おすすめ度:
10年以上前に流行した生地で、本来は鞄やポケットの裏地で使用するものです。人が着るために作られた生地ではありません。穴があいているためにプリント面積が狭くなり、印刷が薄く感じられます。もっともおすすめできません。
不織布
使い捨てマスクの素材としてよく使われている素材です。安価ですが、洗ったら毛羽立つため、おもに使い捨て用として使われています。
参考
おすすめ度:
レストランで出される紙ナプキンのようなイメージで、使い捨て用途で販売されています。
プリント
シルクスクリーン
「シルクスクリーン版」と呼ばれる印刷用の型を作り、型を衣服に固定してインクを塗る印刷方法です。
版を作る金額がかかりますが、印刷代は安価という特徴があります。大量印刷に向いています。
DTF転写プリント
本体に接着剤を塗り、別途プリントを印刷したシートを熱圧着し、プリント部分だけを残して転写させる印刷方法です。フルカラーに対応しています。
昔はフルカラーデザインはラバーシートでの圧着がメインでしたが、現在はより薄く、軽い転写プリントが主流になっています。
シルクスクリーンと違い型枠を作る必要はありませんが、そのぶんインク代が高価で、少数印刷に向いています。
昇華プリント
高熱により、インクを気化(昇華)させることで衣服に色をつける印刷方法です。
シルクスクリーンと比べると時間とお金がかかりますが、ご希望のプリント内容により、DTF転写プリントと比べると、こちらの昇華プリントのほうがお安くなるケースがあります。
ビブス全体のフルカラー染色に対応しているため、プリントの個数や位置、大きさの制限がありません。
ビブスの価格や品質
ビブスの価格は、メーカーや素材によってピンからキリまであります。
有名スポーツメーカーのビブスであれば数千円、オンラインショッピングモールの激安ビブスであれば数百円で販売されているものもあります。かつては100均で100円のビブスが売られていたこともあるそうです。驚きですね。
謎のメーカーが作っている激安ビブスは縫製が甘いものが多く、2~3回の使用でほつれてくるというレビューが数多くあります。
自社工場製は必ずしも高品質とは限りませんので、耐久性と値段を比較してコストパフォーマンスの良い商品を探すと良いでしょう。
ビブスを買うにあたって
団体やチームのためにビブスを揃える場合、メンバーやお店と確認しながら進めることになります。ビブスの購入で失敗しないために必要な要素をピックアップしました。
目的を明確にする
まずは、ビブスを着る目的をしっかりと定めることが大事です。
イベント会場で目を引きたいのなら、蛍光黄色などの目立つカラーのビブスに団体名やスタッフであることをプリントするのがよいでしょう。
会社や商品のPRなら、ビブスやプリントのカラーにコーポレートカラーや商品のテーマカラーを取り入れる必要があるかもしれません。
スポーツの練習で使うなら、赤と水色など一目で分かるようなカラーのビブスで組み分けをすれば、選手が見分けやすいですよね。
「〇〇に使いたいから□□のビブスが必要」というように目的を整理しておきましょう。
何着必要か
目的が定まったら、どれくらいの人数がビブスを着るのかを確認しましょう。検討の段階では正確な人数が定まらない場合もあるでしょうから、少し多めに考えておくのがオススメです。
予算
ビブスを購入するにあたって、いくらお金が使えるかを決めましょう。
ビブスを扱っているお店をいくつか確認し、([ビブス代]+[プリント代])x[枚数]+[送料]を計算すれば大体の金額が分かります。
予算が合わない場合、枚数を減らす、ビブスの品質を下げる、プリントを簡素にするなどで調整することもできます。しかし、予算が取れず使い捨てや粗悪なビブスを検討するくらいなら「そもそも買わない」というのも選択肢に入るかと思います。
時間
大きなスポーツ店に行って直接ビブスを買うのであれば時間は問題になりませんが、ネットショップで買う場合や、プリントなどの加工が必要な場合は手元に来るまで時間がかかります。
「どういうビブスが必要か」「プリントは必要か」「何着必要か」などを確認する時間もありますから、事前に下の3項目は考えておいた方がよいでしょう。
- 注文する日
- 納品してほしい日
- 実際に使う日
プリントの有無、注文枚数、工場の混雑などで、注文からビブスをお届けするのにかかる時間は大きく変わります。ビブスを買うなら、早めにお店に相談したうえで、余裕をもったスケジュールを立てるのがオススメです。
サイズ
自分や、ビブスを着るメンバーの体格を確認しておきましょう。
ビブスは衣服の上から着ることが多いので、余裕をもって大きめサイズになっていることが多いです。小柄な人がサイズを確認せずにビブスを着ると「肩から落ちてくる」ことも。
逆に、極端に大柄な人は「ピチピチになってしまう」ことや「着られない」ことも考えられます。
形状
ビブスには形状の違いがあります。
ビブスを着る人が決まっていて体格もある程度把握しているようであれば、頭からかぶるタイプのビブスでよいと思います。
着る人の体格にバラつきがあるようであれば、サイドが開いたタイプのビブスや、ファスナーで開閉できるタイプのビブスがオススメです。
カラー
ビブスは識別のために着るものですから、蛍光黄色など目立つカラーを選ぶのが一般的です。しかし、団体やチームのテーマカラーがある場合や役割を示すことの方が重要であれば状況は変わります。
関わる人と相談の上、ビブスやプリントに使う色を決めていきましょう。
人気カラーのビブス製作事例
プリント
基本的には「蛍光黄色のビブスには黒でプリントする」というようにビブスと同化しないカラーを選びましょう。テーマカラーがある場合は「その色でプリントできるか」をお店に確認しておくのをオススメします。
次は印刷する内容を確認しましょう。団体名はもちろん、団体名の下に役割や係などを配置した二段のプリントも人気です。ロゴを印刷したい場合、印刷可能なデータかどうかでプリント代や製作時間が変わってきます。
ビブスのお手入れ
洗濯
理想は中性洗剤を使って手洗いすることですが、かなり手間だと思います。
洗濯機を使う場合は、中性洗剤を使用し、冷水・弱水流モードがオススメです。脱水も、短時間かつ軽めがよいでしょう。
乾かし方
ハンガーにかけて陰干ししましょう。天日干しをするとビブスとプリントの両方に色あせが起こります。
乾燥機の使用はできません。変形、縮み、プリントの剥離など、重大なダメージを及ぼします。
たたみ方
プリントの部分を避けるように折るのがオススメです。詳しいたたみ方については別の記事にまとめていますので、ぜひご覧ください。
保管
しっかりと乾かし、光が当たらず湿度の少ない場所で保管してください。
ビブスをお探しなら
わたしたち、「ビブスのプロ」であるグルーピングキットにご相談ください!オーソドックスな1色プリントビブスから、蛍光インクを使ったファスナー付きフルカラービブスまで、さまざまなご要望にお応えいたします。
特注サイズやクッション付きのポケットビブスも製作実績がございますので、特注ビブスをご検討の方もお気軽にご相談ください。
お客様の用途に応じたビブスへのプリント・デザインを担当。ビブスの素材、品質、特性、着やすさ、歴史や活用法などなど幅広く調査し、ビブスについて楽しく理解を深めるためのコンテンツを作成しています。 ビブスについてのご相談ライター:グルーピングキット米倉