ビブスは穴あきメッシュじゃないと駄目?素材と実験結果から見るビブスの新常識

ビブスはメッシュじゃないと駄目?イメージ

「ビブスといえば、穴があいたメッシュ」—そのように認識している方は多いと思います。各ビブスショップも頑張って、そのように宣伝しています。

でも、少し待ってください。技術は日々進歩しているのです。

能登半島地震支援用ビブスのご相談

令和6年1月1日に発生した、能登半島地震に被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。

当店では、被災地の復旧・復興・救助・救援・支援・災害ボランティアなどの用途でビブス・識別用品を必要とする団体様に向けて、ビブス+プリントオーダー商品の特別割引を実施しております。

オリジナルビブス

団体名やロゴを入れて、識別やグルーピングを楽に。

ビブス・ゼッケン

ビブスの生地はポリエステル

そもそもビブスの生地に使われている素材はポリエステルで、軽量で速乾性にすぐれた化学繊維です。

同じポリエステルでも、織り方や加工によってさまざまな風合いを持つ生地が存在します。

メッシュ生地
穴があいたメッシュ生地
ドライ生地
吸湿速乾のニット編みドライ生地
特殊ニット編み生地
内側に汗の吸水面・外側に拡散面がある特殊なニット編み生地

これらすべて、同じポリエステル由来の生地です。

なぜ「ビブス=穴あきメッシュ」という認識が広まったのか

一般的にビブスといえば、これまでは穴があいたメッシュ生地が主流でした。理由はふたつあります。

理由1:生地コストが安いから

穴があいたメッシュの生地は、機能性を持った織り加工がされている生地よりも、価格が安いです。

本来は、バッグやポケットのなかの裏地としても使われる生地なので、用途の面からも価格の安さはご想像いただけると思います。元々、人が着ることを前提として作られた生地ではないということですね。

製作都合だけで考えると、仕入れコストのメリットは度外視できないのです。

理由2:もともとスポーツで使われていたから

ビブスはもともと、サッカーやバスケットボールといったスポーツでの使用が一般的だったため、軽量性を重視して、穴があいたメッシュ生地が主流となっていました。

そのためアディダスやナイキといったスポーツメーカーから販売されるビブスや、サッカー用途で作られたビブスは、ほとんどが穴のあいたメッシュ素材です。

通気性から見た生地質差

水分イメージ

先ほど挙げた、加工が異なる3つのポリエステル生地を使って、通気に差が出るのかテストをしてみました。

実験条件

  • 使い捨てコップに水を入れ、ふたのように生地をかぶせて輪ゴムで留め、指定期間経過後に水分の残量を計測する。
  • 期間:10日間
  • 季節:冬季

蒸発量の実験結果

生地ブランド開始重量結果重量蒸発量
メッシュ生地ブランドP86.7g83.9g2.8g
ブランドL92.0g89.8g2.2g
ブランドW93.4g90.0g3.4g
ニット編みドライ生地ブランドG87.6g84.8g2.8g
ブランドT93.9g91.0g2.9g
特殊ニット編み生地弊社製スポーツ用生地112.6g109.8g2.8g

実験前は、水分の蒸発量は穴のあいたメッシュ生地が圧倒的かと思っていましたが、生地タイプによる蒸発量の差はほとんど見られませんでした。

よく考えてみれば、穴のあいたメッシュが圧倒的に通気性がよいのであれば、夏の一般的な服装は穴のあいたメッシュが主流になっているはずです。

近年は繊維の質が著しく向上し、夏場は肌面の水分を素早く吸収するドライ生地を使ったドライTシャツが着られていますし、もっと発汗量の多いスポーツ分野では、汗を吸収し、素早く蒸発させる特殊ニット編み生地が主流です。

※穴のあいたメッシュ生地はニット編みではないため、肌面の水分を素早く吸収したり、発散したりする機能はありません。

もはやポリエステルは、昔のように穴が空いていれば通気性が抜群によい、という単純な繊維ではなくなっているのです。

視認性から見た生地質差

ビジネス用途という面から見ると、役割の明示や識別・グルーピング目的でビブスを使う場合、しっかりとプリントが見えたほうがよいに決まっています。

しっかりとプリントが見えるとはどういうことかというと、濃く・隙間なく発色されるということです。

ニット編みドライ生地のプリントと、穴があいたメッシュ生地のプリントを比較してみました。

特殊車両回送のスタッフビブス プリント
ニット編みドライ生地へのシルクスクリーンプリント例
メッシュ生地へのプリント例
穴があいたメッシュ生地へのシルクスクリーンプリント例

どちらが見やすいかは明らかで、生地の目が細かいニット編みドライ生地ほど印刷が綺麗に・はっきりと出ているのがおわかりいただけると思います。

穴があいたメッシュ生地の実際のプリント工程では、インクが生地にあいている穴を伝って染み出てしまうため、特殊なシートを敷いてからプリントを行います。

下にシートを敷いている関係上、何往復もしてインクを刷り込むことができないので、ニット編みドライ生地や特殊ニット編み生地よりも当然、発色が薄くなります。

上の穴があいたメッシュ生地へのプリント例では、実際にインクが生地にあいている穴にしみ出してしまい、穴をふさいでムラができています。

プリントの面から見ても、穴があいたメッシュ生地は本当にビジネス用途としてベストと言えるのか、疑問があるのです。

軽量性から見た生地質差

天秤イメージ

一方で軽量性という面から見ると、やや穴があいたメッシュ生地に分があります。代表的なブランドのビブス製品を数値化してみましたので、比較してみてください。

穴があいたメッシュ生地ビブスのブランド別重量比較

ブランドサイズ本体重量
ブランドPLサイズ70g
XXLサイズ82g
ブランドP・ジップ付きフリーサイズ81.8g
XXLサイズ98.3g
ブランドLJr.Fサイズ62.8g
Lサイズ68.9g
XXLサイズ93.5g
ブランドWJSサイズ48g
JLサイズ73.8g
Lサイズ90g

ニット編みドライ生地ビブスのブランド別重量比較

ブランドサイズ本体重量
ブランドGJLサイズ80g
フリーサイズ106.3g
XXLサイズ132.3g
ブランドTJLサイズ85.6g
Lサイズ124.8g
XLサイズ133.1g

番外編

生地・製品ブランドサイズ本体重量
特殊ニット編み生地弊社製スポーツユニフォームMサイズ148.5g
綿TシャツブランドPMサイズ172.2g

穴があいたメッシュ生地が軽量といっても、どの生地も綿Tシャツと比較するとかなり軽く、服1枚ぶんにも満たない重量であることに変わりありません。

パフォーマンスを求めるスポーツならまだしも、ビジネス用途としては気にする数値ではないのかもしれません。

「ビブス≠穴あきメッシュ」という新常識をご提案

生地価格やスポーツの名残で使用されている穴のあいたメッシュ生地ですが、繊維技術の向上で、必ずしも「ビブス=穴あきメッシュ」でなくてもよいことがわかりました。

スポーツ用途ではなく、ビジネス用途で役割の明示や識別・グルーピングを主な目的とするのであれば、生地は穴あきメッシュではなく、ニット編みドライ生地や特殊ニット編み生地を使用したほうがよいのです。

なぜなら、穴のあいたメッシュ生地と同等以上の通気性を確保しながら、穴のあいたメッシュ生地よりもプリントが鮮明になり、本当の意味で「すぐにわかる」ビブスを作ることができるからです。

弊社で取り扱っているビブスは、生地は穴あきメッシュではなく、ニット編みドライ生地や特殊ニット編み生地を使用しています。

NPO法人の車椅子体験・お祭りイベント用ビブス 表
NPO法人の求人フェア用スタッフビブス 表
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ビブスの印刷としてポピュラーなシルクスクリーンプリントは、近年技術力が上がり、ミリ単位でインク調整できる印刷会社も登場しています。

弊社はそのような高度な技術を持った国内印刷会社と提携し、「すぐにわかる」ビブスを作るために、デザインからご提案しています。

他のビブスショップから「このデザインは細かいので、調整していただかないとプリントできません」といまだに言われているようであれば、ぜひ弊社にご相談ください。

ビブスショップ出身者や、プリントの特徴を熟知している経験豊富なデザイナーなど、プロの人材が揃っています。

ビジネス用ビブスなら、ぜひ我々グルーピングキットにお任せください。

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